転職の契機と5社目の会社に対する間違った先入観と思い込み

求人オファーのあった会社の常務と面接し是非入社して欲しいと

ガンで病床に伏している父にはガンの転移、また私が転職を検討しているという事実は伝えなかった、しかしその後始まった抗ガン処置は、みるみる父の体力、気力を失わせていった。

 

こんなことなら、延命のための抗ガン処置を断るべきだったか…

 

つくづく、そう感じたが、もう始まってしまったこと、中途半端にアトには引けない。

 

 

父への最後の親孝行

転職の契機となった父の他界

転職の契機となった父の他界

最後の親孝行は、娘の二十歳の晴れ着姿を見せてやれたことだ。

 

父は病室で、娘の振袖姿を見てかなり驚いたようで、かすれた声で、

 

「まるで別人だなぁ…」

 

その、約1ヵ月後、自宅で昼食を母から食べさせてもらっている途中、父は、こう言ったらしい。

 

「もう要らない…」

 

その言葉が父の最期の言葉であった。

 

父は他界した。

 

父の他界で転職を決断

他界した父の葬儀を終え、一段落した時、登録してあった転職支援サイト、エージェント会社の1社からコンタクトがあった。

 

転職する事だけで心配をしていた父は、もうこの世には居ない。

 

話だけでもしてみるか、そういう気持ちになり、とある会社にエージェントと共に面接に行った。

 

会社の内容、メインの顧客について、詳しい説明を受けたが、その顧客は日本でナンバーワンの自動車部品・機器メーカーで、かつて私も装置を納入した経験があるが、その検査、合格基準が非常に厳しい、まるで「NASA」の検査基準並みであることに驚いたが、その顧客から何度も表彰されていると面接相手の「常務」が言う。

 

「かなり、技術面でレベルの高い会社だ。」

 

それが第一印象であった。

 

その後、他にも数社から求人オファーを受けた。

 

しかし、その後、その「常務」と、何十通のメールで互いの意見交換をし最後に先方から、

 

「是非、入社して欲しい。」

 

と言われた。

 

転職5社目候補の会社は、3社目、4社目とは異業種であり、新卒で入社した最初の会社と同業種で将来性のある業種だ。

 

また海外展開も積極的に考えていると言う。

 

給与、その他の条件も破格で、自宅での勤務もOKであるという条件を含めて、とにかく私の裁量で自由に行動して欲しい、とまで提示された。

 

その頃私は、やはりサポート・マネージャーとして、インドの案件を担当していたが日本国内で装置が組み上がり、ちょうど出荷のタイミングであった。

 

替わるなら、転職を決めるなら、今だな…

 

こうして2008年5月、49歳で5社目への転職を決意する。

 

今から考えると、つくづく転職初心者であったと思う。

 

技術面で時代遅れである事を認識していない転職5社目の経営者

私が「技術力が高い」と思い込んだ、5社目への転職先として選んだ会社は、表向きは技術力、品質の高さを標榜する製造メーカーであったが、実質はオリジナルの技術力が皆無で、必要なツール、ソフトも時代遅れのローテク企業であった。

 

日本最大の自動車部品・機器メーカーがメインユーザー、しかしそれはイコール、そのメーカーからのエンジニアリング指導が無ければ、自分たちの設計能力だけでは、何一つ生み出すことが出来ないサプライヤーであった。

 

また経営者の危機感もゼロであった。

 

5社目の技術レベルの実態

転職先への先入観と思い込み

転職先への先入観と思い込み

その実態は、その転職先5社目の顧客から、その会社に技術指導で派遣されていたエンジニアーの方からのコメントでも確認できた。

 

「この会社は我々ユーザーが教えてあげないと、独力では何も出来ない、造れない会社だから…」

 

その時点で私が感じたのは、「常務」に、そういう現状認識があるのかどうか、だ。

 

後で分かったことだが、認識はあるものの、しかし他社と比べて、例えば私が今までに勤めていた会社が大学生レベルであれば、この会社のレベルは小学生程度であるという客観的な認識が、「常務」には欠けていたと思う。

 

また、それは使用するアプリケーション・ソフトでも同じ事が言えた。

 

製造メーカーでは必須のソフト

CAD設計を各メーカーが取り入れて久しいが、その会社には本格的なCADソフトが無く、顧客が使用している時代遅れのソフトを旧態依然として使用しており、私でさえ、ある程度操作が出来る、この業界ならエンジニアでなくとも誰もが知っているソフトウェア、それさえ、その会社には存在しなかった

 

私は率直に、私にとって転職5社目となる会社の常務に聞いてみた。

 

「もし私が新規の案件を持って来た場合、どうやって仕様書を描くのですか? どのソフトで、どういうフォーマットで提案するのですか? 今この会社には、対応できるソフトも無ければ、使いこなす事が出来る設計者もエンジニアも居ませんが…」

 

常務の回答は、

 

「それは、その時考えましょう。」

 

であった。

 

危機感ゼロと言わざるを得ない。

 

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