社長秘書への人事異動命令を受けて苦悩する

秘書とプラスアルファーの仕事をしろと社長命令を受ける

アメリカ進出を社長が一人で決めた会議、その会議に出席していた会社幹部の中の数名が私に、「気の毒に…」とでも言いたげな視線を寄こした。

 

会議が終わり、指名されたNさんの上司の設計部長が私に、「N君に何かアドバイスがあれば是非お願いしますね…」と告げに来たが、不本意とはいえ会社が決めたこと、最大の被害者はNさんだ、私は「もちろん何でも協力します。」と告げた。

 

 

派遣される本人のやる気

社長秘書への人事異動命令

社長秘書への
人事異動命令

ただ救いは、派遣されるエンジニアのNさん自身が、社長から直接に名指しされたことを名誉に感じている事、初めて海外に、特にアメリカに滞在することを楽しみにしている事、顧客に対する対応も意外と気楽に受け止めている事、成功すれば出世につながると受け止めている事だ。

 

「何とか成功すれば良いのいだが…」

 

そう私は考えた。

 

社長秘書への人事異動

会社のアメリカ進出が議題となった会議の数日後、社長が社長秘書経由で私にコンタクトをしてきた。

 

「今すぐに、こちらに来て下さい。」と、社長の甥っ子である社長秘書が私に告げる。

 

社長は、いつもは本社の建屋に居るのでは無く、別市内の、とある自前のビルに普段は居た。

 

そこに急遽私に来なさい、と言うのだ。

 

親しくして頂いた会社幹部、数名に、それを告げると、

 

「恐らく…こういう仕事をしろ、と言われると思うよ…」

 

社長が普段居るビルに到着し、社長と直接話しをした。

 

「今の仕事は、すぐに誰かに引き継いで明日から私の秘書に成れ

 

ただ秘書と言っても、秘書だけの仕事だけでは無く、こういう事をやって貰う。」

 

実は「その仕事」は、かつては営業部に属していた社長の甥っ子が、ここ数年行っていた仕事だ。

 

甥っ子は、社長命令で、その仕事を続けていたが、マンパワーが足りず社長に増員をして欲しいと泣き付いたところ、社長が甥っ子に、

 

「ならば、お前が、この人となら、この人なら出来る、という人間を社内から選べ。」

 

と言われ、その結果、「要らぬ」白羽の矢が私に当たったのだ。

 

これが「嘱託」という意味だったのか、と私は思った。

 

家内からの私の人事異動に対する意見に感動し感謝する

転職4社目の社長から、現職を離れ社長秘書と成れと言われた私。

 

その業務内容は、とても私では務まらない内容であった。

 

業界でも有名なワンマン社長の命令、またその当時の、私と社長の関係と社長の性格を考えた時、社長から直接に指示された仕事を断れば多分クビだろうと感じた。

 

それでなくとも直前に2回も社長の逆鱗に触れていた私。

 

クビとなれば再就職活動をしなくてはならない。

 

私はさすがに即断は出来ず週末の3日間ほど、それなりに悩んだ。

 

色々な人に相談する

40代 最長勤務の転職先会社

40代
最長勤務の転職先会社

会社の幹部の数名の方にも電話し、社長の言葉、事情、経緯を説明し、相談に乗ってもらうが、誰もが同じことを言う。

 

「確かに、その仕事を断ったら、あの社長のことだ、最悪の場合、解雇かも知れないな… 断るなら、それなりの覚悟が必要だろう。」と。

 

休みが明け月曜の朝、いつものように会社に出かけるべく、やはりいつものように家内と2人でガレージの前に立つ。

 

家内がシャッターを開けながら私に話かける。

 

「あなた一体、この週末、どうしたの…? 何かあったの? いつもと様子が違ったけど…」

 

家内の一言で決断する

長年連れ添った家内には、やはり私の顔色で私の考えていることが分かるようだ。

 

そこで家内に全てを告げた。

 

「何だ、そんなことなの! そんなの断っちゃえばいいじゃない! したくないことを無理に続けることは、貴方には出来ないでしょう。

 

貴方は今まで転職で会社を換わるたびに、いつも上がって来た、クビならクビでいいじゃない、またすぐに次が見つかる再就職できる。 私は全然、心配などしてない、だから今日さっさと断ってきたら

 

家内に励まされた私…

 

「…分かった…そうする。」

 

決めた、断ろう。その後の事は、結論が出てから考えればいい。

 

クルマに乗り込み、エンジンをかけ、走り出したが涙腺が緩むのを抑えられなかった。

 

「ありがとう…」

 

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