転職先3社目では赤字必至の海外事業部の営業課長に就任

世間知らずの3代目社長が直接に契約した赤字必至の海外プロジェクト

転職3社目の会社では、「海外営業課長」という肩書となった。

 

先に、この会社に転職をしていた1社目の大先輩のエンジニアの方が言うとおり、大規模な海外案件が、納期、金額とも切迫した状態で、目白押しであった。

 

 

海外案件担当の営業課長として転職

30代 ヘッドハンティング転職

30代
ヘッドハンティング転職

それらの海外案件には、それぞれ専門のプロジェクトチームを組んで対応していたが、私はブラジル案件と中国案件の2つを担当した。

 

2件とも、最初から大きな問題を抱えていた。

 

予算不足、つまり受注金額の低さだ。

 

当時の3社目の会社社長は、その会社の3代目社長で、会社創設の初代社長の息子、地元では名士の子息とにかく世間知らずで、お人好しであった。

 

2つのプロジェクト共に、顧客の策略に、まんまと引っ掛かり、周囲の猛反対を押し切り、かなり低い受注金額、いや低いどころか利益が出ない原価以下の金額で社長がトップ営業受注をしていた。

 

どちらも顧客の外国人である社長と直接に価格交渉となり、相手の顧客の社長から直々に「何とかこの金額で請けてくれないか」と値引きを依頼され、それを男気に感じて、低い金額で契約してきた、とのことであった。

 

その契約場面を社長は「お互い固く握手をして契約してきた!」と何度も自慢げに話すが、何の事はない、英語が全く話せない社長、相手の術中にまんまと嵌って利益を度外視した金額で請けただけの事だ。

 

社長は「外注に協力してもらえば何とかなる。」と力説していたが、私が担当するにあたり、その予算を確認して私だけではなくプロジェクトメンバーの殆どに人間が愕然としていた。

 

関係者全員、開いた口が塞がらない状態であった。

 

最初から赤字必至の仕事

そんな低い金額で、出来るわけが無い…

 

常識から、あまりにも逸脱しており、なるほどそれだけディスカウントすれば受注できるはずだ、そう感じた。

 

まんまと策略に、ひっかかっただけなのだ。

 

少なく見積もっても、10億円の赤字となるのでは…

 

10億円予算が足らない、そう感じた。

 

これは、とんでもない仕事になりそうだ…

 

ラジオの地元ニュースで転職先3社目の和議申請を知る

私の転職3社目の会社で、社長が自らブラジル、そして中国の顧客先に出向き、顧客の社長と直接に面談し契約となった大型海外プロジェクトは、会社の年間売上とほぼ同額のプロジェクトであったが予算が10億円も不足しており、2件とも最初から赤字は必至であった。

 

担当営業として私は、少しでも多く回収を行ったが明らかに焼石に水の状態で、会社は和議申請を行った。

 

少しでも多く回収を

赤字必至の大型プロジェクト

赤字必至の大型プロジェクト

私はプロジェクトのスムーズな進行を心がけ、しかし予算の問題には少しでも回収をと仕様の変更、追加に目を光らせ、たとえ数十万円でも追加の見積りを顧客の購買に提出し続けた。

 

しかし…明らかに、焼け石に水であった。

 

社長としては今回の案件を安く受注し、それまで納入実績の無かったユーザーに確固たる実績を作り、「その次」の案件でマイナスを取り返す、挽回するつもりだった。

 

よく口癖のように我々プロジェクトチームのメンバーに、「高い入場券を買ったのだ。次は儲けさせてもらう!」と言っていた。

 

致命的な赤字金額

しかしその入場券は、あまりにも高額で、結果当初の予想を上回る数十億の赤字を出してしまい、会社にはとてもでは無いが、「次」への体力など残らなかった。

 

融資を受けていたメインバンクへは、受注金額に対して嘘の粗利報告を続けていたが、そのメインバンクから派遣されていた当時の総務部長が、その虚偽を見抜き、銀行への嘘の報告が明るみに出る事となった。

 

つまりこの大きな2つの海外案件は、これだけの儲けがある、利益が出ると虚偽の報告を銀行に行い、それを基に繋ぎ融資を銀行から受けていたのが、とうとう打ち切りとなり、和議申請となった。

 

この会社の「和議」は当時、TVでも新聞でも、大型負債の「倒産」として、地元ニュースではあるが報道された。

 

私自身、その和議を知ったのはラジオのニュースだった。

 

全従業員の給与は30%カット、ボーナス無し、しかし再建に向かい業務を続けた。

 

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